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大沢記念建築設備工学研究所

本研究所は、都市・建築の環境工学、建築設備工学及びその他これらに関連する分野の基礎的、応用的調査・研究を行うことを目的にし、1968年、大澤一郎の提唱によって関東学院大学が附置する研究所として創設されました。
2005年、文部科学省学術フロンティア推進事業としてリニューアル工事を行い、総合的なサスティナブル建築=環境共生技術フロンティアとして再生・改修されたことにより、建物全体は、総合的研究施設であると共に、一つの大きな環境共生技術のための実験装置となっています。
 
 

主要研究分野

建築経済・建築生産・建築構法 分野

研究者;
Key words;
李祥準
ライフサイクルマネジメント、資産、維持管理、再生、長寿命化、ファシリティマネジメント、CRE・PRE

 
給排水衛生設備、建築環境工学分野

研究者;
Key words;
呉光正
給排水衛生設備、 給水システム、負荷算定法、省エネルギー、BCP、LCP、オフィスコンバージョン、圧送排水システム

 
建築環境工学(空気・熱)、建築設備(空調)分野

研究者;
Key words;
遠藤智行
空気調和設備、換気理論、高効率換気システム、通風、省エネルギー、分煙、受動喫煙

 
給排水衛生設備、環境工学分野

研究者;
Key words;
大塚雅之
給排水衛生設備、長寿命化、スケルトン&インフィル、排水システム、節水・節湯、省エネルギー

 
建築・都市環境デザイン分野

研究者;
Key words;
兼子朋也
温熱環境と人間生活、温熱的感覚・快適性、風土建築、パッシブデザイン、都市気候、サスティナブルデザイン、アートマネジメント

 
建築環境工学分野

研究者;
Key words;
新明加奈子
サステナブル建築の環境設備性能調査、環境設備システムの教育プログラムの開発、省エネルギー、ZEB

 
建築電気設備工学分野

研究者;
Key words;
高橋健彦
接地、雷電磁環境、電気安全

 
建築環境工学(熱・光)分野

研究者;
Key words;
山口温
熱環境、光環境、環境調整

研究所概要

 
[ 位置 ]
神奈川県横浜市金沢区六浦東1-50-1

研究所へのアクセス
 
[ 建築概要 ]

施設名 大沢記念建築設備工学研究所
構造 RC造(一部S造)地上4階
用途
建築環境共生技術設備研究施設
RF 屋上、ビオトープ、緑化施設
4F 居住空間実験スタジオ1、居住空間実験スタジオ2
3F 機械スペース、設備工学実験室、会議室謙所長室
2F 電気設備実験室、計測室2、計測室3
1F 環境共生実験ワークショップ・トイレ
面積 敷地面積:126,208.27㎡
延べ面積:733.42㎡(内増築分177.55㎡)
建築面積:308.75㎡
工期 着工:2004年10月1日  竣工:2005年3月29日

 
[ 平面図 ]

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所長挨拶に代えて

 

「SDGs(Sustainable Development Goals)の達成に向けた具体的な取り組みを」

 

所長 大塚 雅之

 

 2015 年9 月の国連総会において,2016 年から2030 年の15 年間に, 加盟国が達成すべき持続可能な開発目標,SDGs(Sustainable Development Goals)が提示され,採択されたことは記憶に新しいところです.大きな目標として17 項目が掲げられており,中には「健康的な生活の確保」,「質の高い教育」,「安全な水とトイレ」,「クリーンなエネルギー」,「産業と技術革新の基盤構築」,「住み続けられるまちづくり」,「気候変動への対策」など,建築・都市の環境設備分野として貢献できるテーマも多く盛り込まれており,本研究所の果たすべき役割も大きいと考えます.

 建設分野では,2015 年のパリ協定に基づき,2030年度の温室効果ガス排出量を2013 年度と比較して26%削減する中期目標が掲げられています.その目標達成に向けて,ZEB やZEH の実現位の動きは益々促進されてきます.建築物省エネ法の適応の義務化の範囲が,大規模建物から中規模建築物へ,さらには小規模住宅へと拡張されてきています.一方,個々の建物での省エネから地域間でのエネルギーの効率的な融通によるスマートコミュニティの形成も,これからのまちづくりの考え方の中でも必要な取り組みです.さらに,最近は,健康・維持増進の促進,スマートウェルネスな生活空間の実現に向けて,IoT やAI 技術の導入も開始されています.それらの技術は,高齢者社会に向けての健康管理・維持増進への手段としても実用化と適用範囲の拡張が期待されています.

 また,アジア,そしてアフリカなどにおける安全な水供給技術や衛生的なトイレの整備,トイレなどの衛生機器の国際市場での節水・節湯技術の基準化(ISO 化)への対応も大きな課題になっています.加え,昨年は,集中豪雨による土砂崩れを多発,猛威を振るった台風,健康へも大きな影響を与えた猛暑,電力のブラックアウト大停電を招いた大地震など,自然災害の猛威と気候変動の影響を受けた一年でもありました.それらに対して,安全に住み続けられるまちづくりに取り組むことも重要なテーマといえます.国土交通省では,2018 年5 月に新築建物を対象に大規模災害に備えた「防災拠点等となりうる建築物に係る機能継続ガイドライン」を整備してきましたが,既存建物への展開が議論されており,その策定を待つ段階に来ています.改めて,LCP やBCP への対応を考えた環境設備の計画・設計のあり方と新たな技術開発の必要性を感じています.

 このような社会,そして建築環境・設備業界を取り巻く環境の中,平成から新たな元号へと変わる激動の新年となります.本研究所としましても,業界・社会が抱える諸問題の解決に,環境設備技術の研究・開発と環境設備教育を推進し,社会への貢献を果たして行かなければなりません.

 今年は,いわば,2020 年東京五輪への助走区間となる1 年でもあります.所員一同,研究の基礎力を蓄えるとともに,実践的な研究を推進し,来るべきオリンピック・パラリンピックイヤーには,ホームストレッチを快走できるような研究活動を展開できるように努力して行きたいと考えています.

(建築設備工学研究所報 No.42(2019.3)「巻頭言」より)

沿革

当研究所は、建築設備界の草分け的指導者である大澤一郎(1891-1972)の提唱により、1968(昭和43)年に創設されました。
1965年、関東学院大学工学部に、国内初の建築設備工学科が設置され、建築設備技術者の育成を開始しましたが、この大学教育を研究面で支えるという役割を持つと同時に、建築設備技術の発展と建築設備技術者の再教育や産学協同研究の場が要望され、多くの方々の寄付と神奈川県・横浜市の助成を受けて、独立した研究所が創設されました。

1949(昭和24)年12月 学制改革により関東学院が新制大学に昇格。大澤一郎は関東学院大学教授となり工学部建築学科長に就任。
 
1959(昭和34)年 -1960(昭和35)年 大澤の後輩や教え子、建築設備界の有志により、建築設備工学研究所の設置に協力する「大沢先生を記念する会」が結成される。
 
1963(昭和38)年4月 建築学科内に「設備」、「構造」、「デザイン」、「建築」の4コース制を採用。設備が初めて独立確認される。
 
1963(昭和38)年7月 学内に建築設備工学研究所建設のための活動組織を発足。
 
1964(昭和39)年1月 工学館の竣工に伴い、建築設備工学科として初めて工学館3階313号室に研究所を開設。木村宏教授、井上嘉雄教授、鴻池淳志教授が入室。実験室は木造建物の8号館、4号館などに分散入室。 
 
1965(昭和40)年1月19日 建築学科から分離し、わが国で初めての建築設備工学科が文部省により認可され、新学科として開講。 
 
1968(昭和43)年5月18日 大沢記念建築設備工学研究所の竣工。相川学長により開所式が行われ、大沢一郎教授が初代研究所長に就任。
 
1969(昭和44)年-1971(昭和46)年 大学紛争により大学は約2年間機能を失い、研究所も産学協同などを理由に学生集会場として占拠される。
 
1973(昭和48)年4月 大澤一郎所長の死去に伴い、足立一郎教授、第2代所長就任。
 
1974(昭和49)年6月 関東学院大学大沢記念建築設備工学研究所規定の制定、施行。
 
1975(昭和50)年3月 足立一郎所長の死去に伴い、八巻信雄教授、第3代所長に就任。
 
1976(昭和51)年 武藤暢夫教授が中心となり、建築設備研究所報の発刊の準備開始。
 
1977(昭和52)年4月 武藤暢夫教授、第4代所長就任。
 
1977(昭和52)年 研修生の受入れ開始。
 
1978(昭和53)年3月 建築設備研究所報、第1号の発刊。
 
1978(昭和53)年 委託研究内規等を制定、施行。
 
1978(昭和53)年10月 第1号の受託研究として「地下変電所換気並びに騒音に関する調査研究 第2報」を東電設計株式会社と受託契約。
 
1978(昭和53)年 文部省、各都道府県の工業高等学校内に1か所以上の設備科を設置することを各都道府県に指示。
 
1983(昭和58)年4月 大沢宏教授教授、第5代所長就任。
 
1988(昭和63)年12月 研究所4階に建築設備資料室を開設。12月2日を中心に建築設備工学研究所創設20周年記念会の行事開催。記念講演会講師に豊橋技術科学大学・名誉教授小林陽太郎氏を招聘。新設された建築設備資料室において特別展示を行う。
 
1989(平成元)年4月 武藤暢夫教授、第6代所長再就任。
 
1989(平成元)年- 建築設備資料室整備事業として、歴史的由緒を求め、関東学院三春台校舎、農林中金ビル、第一生命ビル、遺愛女子高等学院暖房設備(北海道)などの調査記録、寄贈物品搬入などが逐次行う。
 
1990(平成2)年10月 函館の遺愛女子高等学院、同本館の建築及び蒸気暖房設備の調査実施。
 
1991(平成3)年4月 井上嘉雄教授、第7代所長就任。
 
1992(平成4)年2月 外来研究員と委託研究に共同従事。
 
1993(平成5)年4月 泉忠之教授、第8代所長就任。
 
1995(平成7)年4月 山本育三教授、第9代所長就任。
 
1997(平成9)年4月 津田宏之教授、第10代所長就任。
 
2002(平成14)年4月 山本育三教授、第11代所長再就任。
 
2004(平成16)年4月 高橋健彦教授、第12代所長就任。
 
2005(平成17)年4月 文部科学省学術フロンティア推進事業として、大沢記念建築設備工学研究所をリニューアル工事。竣工。
 
2010(平成22)年4月 大塚雅之教授、第13代所長就任。
 
2016(平成28)年4月 神谷是行教授、第14代所長就任。
 
2018(平成30)年4月 大塚雅之教授、第15代所長就任。
 

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建築設備工学のパイオニア、大澤一郎

 
 
本研究所の創設者である大澤一郎は、1914(大正3)年、早稲田大学建築学科2回生として卒業した後、1916年に機械工学科を卒業し、同時に建築学科助教授に就任しています。 その後1920年から1922年にかけて早稲田大学初の留学生として米国イリノイ大学に留学し、帰国後、早稲田大学助教授、芝浦工業大学教授、日本大学教授を歴任した後、1947(昭和22)年に関東学院大学教授に着任しました。
着任後は、「建築設備工学科」の新設と、「建築設備工学研究所」の創立、ならびに相互密接な連係のもとにおける教育と研究活動を念願とし、研究所は、来るべき時代の建築設備技術の汎用性と多面性の要求と進歩のために、学内のみならず学外における調査・研究、ならびに研究施設の利用を構想していました。
そして1965年、「建築設備工学科」を設置し、さらに、1968年に「建築設備工学研究所(現大沢記念建築設備工学研究所)を設立させ、念頭を結実させたのです。
そのわずか4年後の1972年に永眠。正にその生涯を建築設備工学に捧げたと言えます。大澤一郎の戦後日本の建築設備における教育者、開拓者として果たした役割は大きく、その理念は本研究所の精神として今日まで脈々と受け継がれています。

褒章

1964年(昭和39年)  建築大臣表彰
1964年(昭和39年)  藍綬褒章
1965年(昭和40年)  勲四等旭日小綬章

学位等

工学博士・一級建築士・技術士・設備士

関係学会・協会

・日本建築学会(評議員・各種委員・終身会員)
・日本建築士会(役員)
・空気調和衛生工学会(会長一期・副会長二期・監事・名誉会員)
・日本建築設備士協会(会長一期)
・日本建築設備設計家協会(会長数期)

公務・公職暦

・文部省嘱託
・海軍省嘱託
・通産省嘱託
・外務省嘱託
・建設省嘱託
・科学技術省嘱託
・東京都嘱託
・弘前市技術顧問
・草津市嘱託