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ダブルスキン&ソーラーチムニー

ダブルスキン

ダブルスキンとソーラーチムニーは、効果的な熱除去や自然換気の促進などにより快適な室内環境が確保でき、また、熱負荷削減率の低減にもなり省エネルギー効果を得ることのできる装置です。
建築物の西面は、日射の影響を大きく受けるため、特に夏期においては高温となり、熱的環境の改善が必要とされます。本研究所の建物は、南北方向に長く、西面での日射の影響を大きく受ける配置になっています。
   

しかし、一定の幅を持つダブルスキンを採用することで、夏期には、日射負荷の軽減させることができます。ダブルスキンは西面2 階~4 階に設置。下端はメンテナンス通路とし、開口率60%のグレ-チング床としています。上部開口部は、東面、西面が開閉できます。夏期は開け自然換気を促進し、冬期は閉じることで断熱が向上します。この効果により内壁側の開口部は、断熱性能の高いガラスを用いなくとも普通ガラスで室内側の快適環境を確保しています。

ソーラーチムニーとの連動

トップライトからの光は、暑さ150mmのコンクリート壁に蓄熱されることでソーラーチムニーとなり、外部冷気を建物内に導き、建物を冷却し、昼間の冷房負荷を軽減します。
また、空調停止後の夜間に、ソーラーチムニー、4 階開口部を用いたナイトパ-ジにより、躯体冷却の効果が得られることが確認できています。

ダブルスキンとソーラ-チムニ-の連動により、ダブルスキン内の加温で上昇した空気は、連動部から4階の居住空間実験スタジオを介しソーラーチムニーより排気します。
これらにより、夏期の熱除去、中間期の自然換気をさらに促進させ、快適な室内環境をつくります。



連動時の温度分布と風速ベクトル図

検証結果

夏期はダブルスキンとソーラーチムニーとの連動運転によって、熱除去率は平均60%以上を確保し、日射による熱負荷を削減でき、快適な環境が確保できることがわかり、中間期は、ソーラーチムニーと室内開口部によるナイトパージによって省エネ効果も期待できることがわかりました。また、冬期は、ダブルスキン内温度が30~40℃と高温となり、断熱と熱取得の両効果があることがわかり、省エネルギー効果を確認することができました。