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所長挨拶

所長挨拶

 

「大沢記念建築設備工学研究所の今後の取り組み」

 

所長 大塚 雅之

 

本年度より高橋所長に替わり、研究所長を仰せ付かりました大塚でございます。重責を感じつつ、微力ながら研究所の発展に貢献したいと考えておりますので、よろしくお願いします。さて、月並みですが、所員としての日々の活動をとおして感じている点も踏まえ、実践してみたい努力目標を述べ、就任の挨拶としたいと思います。

先ず、大型の都市・建築環境創造プロジェクトの起案と実施です。先に研究所の構成員、建築学科と社会環境システム学科のメンバーらが中心となり提案した「都市・建築のストック再生を目的とした環境共生技術の戦略的開発研究」が、文部科学省学術フロンティ推進事業として採択され、その主要テーマとして大沢記念建築設備工学研究所棟を様々な環境共生技術を適用し再生させるプロジェクトを実施しました。その成果は、社会的にも、また学術的にも高い評価を受けました。例えば、そこで検証した環境共生技術を学内の建物へ展開させ、環境に配慮したキャンパス作りに貢献する大型プロジェクトを立ち上げることも必要かと思います。われわれの生活空間でもあるキャンパスを地球環境に配慮し、快適なものにするための新たな実践的な研究プロジェクトを実施することが望まれます。それには、大学の理解を得ながら研究所のメンバーが中心となり積極的に取り組むことが必要です。

次は、国際交流と技術支援の推進です。先日の新聞記事に、現在、日本の著名建築家達の設計事務所の仕事の 3 ~ 5 割が海外での受注であるとの記事がありました。わが国のデザイン力が高い評価を受け、受注が増えたことはもちろんですが、新築のマーケットの少ないわが国から、よりクリエイティブなデザインへの可能性を求め海外へ進出して行く時代なのかもしれません。さて、われわれの建築環境・設備研究分野でも、中国、台湾、韓国などの東アジアを中心に学術交流や技術交流が活発になってきています。国際シンポジウムの開催頻度も増え、本学の研究機関としてもその役割を果たす時代になってきたと考えます。東アジア諸国との国際交流の機会を持つことや、わが国の得意とする研究分野での成果をそれらの諸国へ技術移転し、国際貢献を果たすことも役割と考えています。

最後は、学会や社会への研究成果のアピールです。第34号から研究所の近況報告では、活動内容を少し詳しく述べることにしました。例えば、所員の学会や業界での受賞業績も掲載しました。今回は、学術面では神谷教授が太陽エネルギー学会論文賞を、建築設備工学科OBの赤井氏、野知助手、津田教授、筆者らが空気調和・衛生工学会論文賞を受賞しました。また、設計関係では湯澤教授、遠藤准教授がコンペや作品で各賞を受賞されています。このように所員の学会や業界での実績もアピールできる所報を作りたいと思います。一方、社会との接点という観点からは、行政や市民との連携も不可欠です。今年度は先ず横浜市と連携し、横浜市グリーンバレー構想の一環として市民への環境意識の啓蒙と周辺大学との学術連携を図るために特別環境講座を開催しました。今後は、難しい研究成果をわかりやすく市民や学生に伝える「住まいの環境教育講座」のようなものも大切になってくると思います。多くの専門家を抱える本研究所は、その担い手になります。
以上のテーマは、どれをとっても実現には相当な努力と皆様の協力が必要ですが、できることから少しずつ実践してゆきたいと思います。これらの活動の状況はホームページを刷新しましたので、随時、研究所情報として掲載してゆきます。
所員並びに関係者一同、頑張りたいと思いますのでご支援のほどよろしくお願いします。

(建築設備工学研究所報 No.34(2011.3)より)